※2024年7月24日更新 本シンポジウムの冊子を作成しました。
(こちらから閲覧できます:前半(表紙~12ページ)、後半(13ページ~裏表紙))
本シンポジウムは、2024年3月1日に甲南学園がダイバーシティ&インクルージョン(D&I)宣言を公開することを記念し、同日開催されました。冒頭、甲南学園 長坂理事長がメッセージと共に宣言を披露しました。
続いて、学生の様々な取り組みが紹介されました。
・D&I宣言周知のための学生による活動
ポスター・コンペティション最優秀作品、優秀作品が発表されました。
D&I学生有志の会が、12月から1月にカラーウィークとして個性の豊かさを表す彩り豊かなリボンを配った様子も報告されました。
・D&Iに関する学生対象アンケート結果
様々なマイノリティに当てはまる回答者割合や、一緒に学ぶことへの感じ方(全体的にポジティブ、関わった経験があるほどポジティブ)が報告されました。
また、ムスリムフレンドリーな大学を目指す学生からの提言もありました。
・ムーンデイズ・プロジェクト
生理用品無償配布を求める学生の声を試験的に実現しました。学生が作成したポスター、満足度の高さと改善案が示されたアンケート結果、プロジェクトに参加した学生たちの気付き(男性学生「男女問わず参加できてよかった」など)が報告されました。
・私のキャンパス・ライフ
4年次の学生が、全盲についてどのような支援を受けることで学ぶ環境を得ることができ、それにより有益な大学生活を送れた経験を伝えてくれました。方法を見出すため音対話を重ねることの大切さは心に響くメッセージでした。
さらに、神戸市における女性活躍推進の取組として、三和田智子氏(神戸市地域協働局部長 男女共同参画センター所長)には、女性向けコワーキングスペースや女性活躍推進企業(ミモザ企業)認定制度などの「こうべ女性活躍プロジェクト」についてお話しいただきました。中野善文氏(大学都市神戸産官学プラットフォーム事務局長)には、「大学都市神戸産官学プラットフォーム設立を受けた今後の取組」として、同プラットフォームのビジョンと共に、グローカル人材の育成・定着などを目指す主要プロジェクトをご紹介いただきました。
その後、「これからのキャンパスのあり方を考える」と題するパネルディスカッションを行いました。ほんまなほ氏(大阪大学COデザインセンター教授)は、周りの者こそが生じている問題や困難の当事者であること、学ぶ機会の提供及び社会への発信という教育機関の役割などを伝えてくださいました。森隼人氏(株式会社森興産代表取締役、甲南大学大学院社会科学研究科修士課程修了生)は、自社社員の8割が外国籍、8割が女性という多様性が新たな価値や個々人の可能性を広げた経験、日本が選ばれる国になるために目を向けるべきことなどを伝えてくださいました。奥野明子氏(甲南大学経営学部教授、甲南大学BI研究所研究員)は、誰もが自分の望む働き方で社会に貢献し幸せになるためのD&Iであり、トップの理解と強いサポートが必要と呼び掛けていただきました。コーディネーターの冨居雅人氏(神戸新聞社、甲南大学文学部卒業)は、ジェンダーバイアスの具体例をわかりやすく示しながら、日常の思い込みを見つめ直す必要性と、D&Iは当たり前のことであり、誰もが生きやすい社会にするための覚悟が大切と伝えてくださいました。
最後は中井学長が、学内で学び成果を得た大切な一歩をこれからにつなげることを述べ、大きな拍手で閉会しました。
司会進行は笹倉学長補佐。当日は学内外から学生を含む137名が参加くださいました。
KONAN ダイバーシティ&インクルージョンプロジェクトリーダー(副学長兼学生支援機構長 北川恵)からのコメント
2023年度の4月に大学執行部がKONANプレミア・プロジェクト(甲南大学のビジョンに向かい各部局が実現したいことに取り組むアクション)としてスタートさせたD&Iプロジェクト。まずは教職員一同で学ぶための2回の学内研修を経て、学生の活動も展開しました。その動きのなか、長坂理事長のもとで、甲南高等学校・中学校も含む学園としてのD&I宣言制定、推進体制構築へとつなげていただきました。中井学長の言葉通り、大切な一歩です。そしてこれからにつなげる一歩です。ここまでの歩みにお力添えくださった皆様に心から感謝申し上げますと共に、甲南学園D&I宣言のもとで決意新たに取組を進めます。