
教職員研修での気づき
学生支援機構長 渡邉 順司
本学では、プレミア・プロジェクトの枠組みの中で、教職員と学生が連携してダイバーシティとインクルージョン(D&I)に関する取り組みを進め、2024年3月にD&I宣言を制定しました。2024年度の1回目として企画された教職員研修「わたしが、組織が、すすめるD&I」の様子を紹介します。
企業での20年間にわたる取り組みについてご講演いただき、D&Iに関する多数の外部評価を受けておられる企業であっても、これまでの苦労の一端を伺い知ることができました。責任ある立場の人が自分事として捉え、外部有識者からダメ出しをもらいながら積み上げ、あるべき姿の目標に向かって毎年の計画に落とし込むことを継続していることを伺いました。
とりわけ印象深かったのは、どのような組織にしたいか、家族や友人に勧められるか、誇りに思えるかという観点での、一人ひとりの意識付けの重要さであると感じました。関心の低い人も多く、どこか他人事として捉えがちな中で、「やらされ感」を与えず自然な形で巻き込んでいく工夫や意識改革のポイントについて理解が深まりました。
社会に貢献できる人材育成と輩出が大学の務めであり、現代社会においてD&Iの素養を身に付ける機会を学生に提供することは教育機関としての使命です。学部生や大学院生のみならず、社会人学生、留学生、リカレント生など、多様な学生から構成されるキャンパスでの学びを豊かなものにするには、多様な教職員が連携して指導にあたる必要があります。
教職員に限らず学生さんにおいても、同じコミュニティで長く過ごしていると、考え方や価値観が気づかないうちに狭くなってしまいます。各自が多くのコミュニティに所属することにより自分自身の中に多様性が芽生え、必然的に多様な考え方と価値観を身に付けることができるようになります。
以上