無意識のうちに体が緊張して、呼吸がしにくくなっていませんか?ゆっくり、丁寧に呼吸をして、体をリセットしましょう。
呼吸運動を起こす筋群である横隔膜と肋間筋群は、胸郭を作る背骨(胸椎)と肋骨、胸骨に付着してこれらの骨格を動かしています。また、これらの筋群は筋膜を介して腹筋群や、股関節を動かす筋ともつながっています。横隔膜、肋間筋群を意識的に大きく動かして呼吸することで、これらの筋が繋がっている骨や筋肉にも刺激が入ります。
今回は、背骨が安定する仰向け姿勢でのエクササイズを紹介します。
畳の上、あるいは硬い床の上にヨガマットや厚めのバスタオルなどを敷いて、あおむけで行います。布団やベッドだと柔らかすぎて背骨が不安定になります。
いずれのエクササイズも、無理のない範囲で行ってください。
1)Breathing
上の図のような姿勢をとります。ポイントは背中からお尻までがしっかり床についた状態で行うこと。息を吸っても吐いても背中全体が床から離れないようにしましょう。この姿勢のまま、大きく呼吸をします。
A. 鼻から息を吸う(5秒)→鼻から息を吐く(5秒)→息を止める(5秒)
B. 鼻から息を吸う(5秒)→口から「はーっ」と音をたてながら息を吐く(5秒)→息を止める(5秒)
それぞれ、3セットずつ行う。
Step1:お腹の動きと呼吸のチェック
お腹はどんなふうに動いていますか?天井と床方向だけでなく、横方向(脇腹の動き)にも動いているでしょうか?肋骨は動いていますか?わかりにくい人はお腹に手を当てて、呼吸とお腹の動きがどのように関連しているか感じ取ってみましょう。
Step2:慣れてきたら、お腹を凹めたまま、呼吸してみましょう。
2)Breathing-Arm reach-
両腕をゆっくりと頭方向に上げて腰が浮かないところで止め、1)の呼吸をやってみましょう。
腕を上げていくと、肋骨が一緒に上がっていきませんか?
腕を上げると腰が浮きやすくなりませんか?腕を上げても腰が浮かないようにするにはどうしたらよいでしょう?
腕の位置によって、呼吸のしやすさが変わりますか?ということを感じ取りながら、しっかり呼吸しましょう。
3)Scissors
※チャレンジ種目
腕と脚の動きに対して、胴体を安定させたまま呼吸してみましょう。
②と③の間で、いったんスタートポジションに戻ってよいです。
呼吸はゆっくり行いましょう。息を吐きながら腕と脚を開き、息を吸いながらスタートポジションに戻る、と、わかりやすいかもしれません。
4)Breathing-Twist-
両膝を揃えて、左右どちらかに倒します。
膝を倒した側と反対の肩(左図の場合、左肩)が床から浮かないように、膝の曲げ方や股関節の曲げ方を調整しましょう。膝の下に座布団などをおいてもよいです。
この姿勢で、ゆっくり鼻で呼吸して、胴体がどのように動くか感じ取ってみましょう。
慣れてきたら、1)のA、Bのエクササイズもやってみましょう。
A. 鼻から息を吸う(5秒)→鼻から息を吐く(5秒)→息を止める(5秒)
B. 鼻から息を吸う(5秒)→口から「はーっ」と音をたてながら息を吐く(5秒)→息を止める(5秒)
図はhttps://www.tummee.com/yoga-poses/three-part-breath-constructive-poseより、筆者作成
参考資料:森本貴義・近藤拓人著:「新しい呼吸の教科書」、ワニ・プラス、2018年
(スポーツ・健康科学教育研究センター/全学共通教育センター 水澤 克子)