知能情報学部では、学生および教職員を対象に「安全講習会」として毎年開催しており、様々な分野でご活躍されている研究者や産業界の方をお招きし、ご講演いただいています。
今年は、テキサス大学オースチン校のTomio Y. Petrosky 先生にお越しいただき、「物理学における一神教と多神教のぶつかり合い -存在する世界なのか変化する世界なのか- 」と題したご講演をいただきました。
また、テーマが「物理学」に関する内容であったことから、自然科学研究科と共催し、物理学専攻の教員や学生にもご参加いただきました。
ペテロスキー先生は、日本人と米国人の両親のもとで育ち、大学院まで日本で学ばれ、その後、ノーベル化学賞を受賞されたイリヤ・プリゴジン先生に師事されていました。
先生のこれまでのご経験やプリコジン先生とのエピソードなども紹介いただきながら、数学、先人の学者の歴史・文学、宗教にまで至る幅広い知見から「物理学」について解説いただきました。
ご講演の中で、「物理学」と「数学」の世界観について触れられた際には、「物理学」は、自然に対する好奇心であるのに対して、「数学」は、人文科学(文学)な要素があること、「Laws of Nature(自然法則)」の意味などを説明された際には、ペトロスキー先生の大変ユーモア溢れるお話に会場も笑いが生まれました。
先生のお話の中に、「驚きは創造性の源である」とありました。
人は失敗したときに驚くと、研究は失敗だらけであると。
科学や創造の面白さを、基本的な物理法則やペテロスキー先生のご専門である散逸構造の理論について様々な例を出していただきながら、さまざまな物理現象をジョークも交えつつ、解りやすくご講演いただきました。
この度のご講演、誠にありがとうございました。