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2024/12/09
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スポーツ・健康科学教育研究センター20周年シンポジウムを実施しました。

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 令和6年12月7日(土)13:00より兵庫体育・スポーツ科学学会との共催で、甲南大学スポーツ・健康科学教育研究センター20周年シンポジウムが開催されました。

 本センターは、2004年に“健康”をキーワードに社会の問題を解決するための調査・研究を行い、最新の知見を社会に還元することを目的の一つに設立されました。昨年度は、COVID-19から立ち直りつつある社会にあって、未だこれらの影響が継続している本学学生を対象とした調査結果を受け、「こころ」と「からだ」のマネジメントの大切さについてシンポジウムを開催しました。そして、2024年に20周年を迎えた本センターは、20年前から現在までを振り返り、そしてこれから先の20年の社会に、スポーツや体育がどのような役割を担っていけるのかをテーマにⅠ部シンポジウム並びにⅡ部ワークショップを開催しました。

 

 

 Ⅰ部のシンポジウム第1講で吉本忠弘教授は、ドイツの事例を踏まえながら「競技スポーツであれ、楽しみのためのスポーツであれ、とにかく本気で自分の目的に対して達成することが大切。」と述べられました。ご高齢となっても生涯現役選手として活動するドイツの人々の姿に感銘を受けられ、「このようなスポーツの価値はこれからの日本にとってますます重要になる」と提言されました。

 また、第2講で伊東浩司教授は、女子陸上短距離界日本一のチームである甲南大学女子陸上競技部の指導及びマネジメントの事例を、最新の「スポーツマネジメント理論」を用いて分析し導いた広報戦略についてお話し頂きました。伊東教授が最も伝えたかったことは「スポーツを通じて若い世代が一体となるような取り組みでありたい」ということであり、一般の方々もSNSによって純粋に「同世代の頑張る選手を応援したい」という気持ちをより表現しやすくなってきているのではないか、とのお話をいただききました。

 基調講演では、株式会社姫路ヴィクトリーナ代表取締役社長 上原光徳様より、チームの強化だけではなく、地域の活性化のためにスポーツツーリズムの推進、地域の方々の健康増進のための健康教室や出前授業、また、中学校部活動地域移行に向けた受け皿としての活動など具体的な事例をお話しいただきました。最後に強調されたことが「存在意義」。「スポーツを通じて必要とされるかどうか、地域に貢献できているかどうかが大切である」と、会場にいた全員が釘付けになるほどの熱量に感銘を受けました。

 最後のパネルディスカッションでは、これから先の20年は少子高齢化など「明らかな未来」は対策を講じることができるかもしれないが、例えば2019年のコロナによるパンデミックなどのように「何が起きるか分からない未来」に対して、人が社会から孤立しないよう「スポーツは人々をつなげる大切な文化である」との結論で締めくくられました。そして、参加者の方々の盛大な拍手のもとシンポジウムは閉会となりました。

 

 

 

 

 Ⅱ部のワークショップでは、関西国際大学の高見彰教授によるアイスブレイク実技が行われ、初めて参加された方々が世代を超えて大いに笑い、体を動かし、大変な盛り上がりの中終えることができました。

 

 

 「スポーツは人を健康にする」

 「スポーツは人を熱くする」

 そして何より

 「スポーツは人と人をつなげ社会を豊かにする」

 

 甲南大学スポーツ・健康科学教育研究センターは、これからも本学理念に基づき「身体の健康」、「心の健康」、「社会の健康」増進を推進してまいります。

             

スポーツ・健康科学教育研究センター 所長 曽我部 晋哉 

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