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2025/05/01
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【スポ健リレーコラム】[第46回]
スポーツへの取り組みかた

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 昼夜の寒暖差が少なくなり、スポーツを行いやすい気候になってきました。国内ではすでに各競技団体における日本代表決定競技会が開催されています。このような競技会を見ていると、トップ選手の立ち居振る舞いや真剣な表情が目に付きます。また、このような大舞台への出場に至るまでの厳しく・苦しい道のりや、日頃のトレーニングへの真剣な取り組みなど、競技会に至るまでの背景を、自然と想像させてくれます。

 

 ここで紹介しているスポーツは、いわゆる競技スポーツが意味されます。競技スポーツは、競技会における自身の達成力向上に主眼が置かれたスポーツであり、これは広義的には「達成スポーツ」に位置付けられています。達成スポーツでは、「自身の達成力(できる力)の向上」に価値が置かれます。すなわち、「できるようになる自分」を実感できた時に、この領域のスポーツの楽しさを享受することができ、「勝てるようになる自分」を実感できた時は「競技スポーツの醍醐味」を享受していることになります。「できるようになって勝つ」これこそが、競技スポーツの本質的な楽しみであると考えられます。

 

 その一方で、レクレーショナルスポーツと呼ばれている領域があります。レクレーショナルスポーツとは、本来的に「気晴らし」を目的として行われるスポーツ活動が意味されています。これは「競技スポーツ」とは異なり、「気晴らしの実現」に向けたスポーツ活動に主眼が置かれます。このスポーツの実施者は「気晴らしの実現」に相応しい活動内容を真剣に行うことが求められており、その真剣さは活動規律に基づくものになります。レクレーショナルスポーツは、日常生活から隔絶された世界(非日常的世界)における「真剣な気晴らし」として行われるべきスポーツなのです。

 

 両者は、スポーツに対する価値観こそ異なるものの、それぞれの活動目的に向かって、真面目・真剣に取り組むという点は共通しています。規律を持って真剣に。活動レベルの差こそあれ、どのようなスポーツであっても実現できるものです。皆さんは、ご自身が取り組まれているスポーツを「真面目に楽しんで」いますか?

 

スポーツ・健康科学教育研究センター/全学共通教育センター 吉本 忠弘

 

 

 

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