
皆さん「夏バテで食べられなくて」とか、言っていませんか?
夏バテは、高温多湿の環境において、体温を一定に保とうとする(恒常性)ために自律神経がフル稼働して疲弊して、その働きが鈍ってしまうことが原因と考えられています。室内の空調による冷えや、暑い屋外との温度差も自律神経を乱れやすくしています。
また、冷たいものばかり摂ると、胃腸の動き(消化吸収力)が弱まり、これも夏バテの原因になります。さらに、夏バテで食欲が落ちると栄養バランスも崩れて体調も崩しやすくなってしまいます。恒常性が働くが故の悪循環ともいえますね。
食欲がないからといって食べないと、体の様々な機能を働かせるためのエネルギーが不足し、さらに悪循環が進んでしまいます。
夏の食事は「食べやすく」工夫すること、様々な栄養素の吸収率の良い献立にすることなどが必要です。例えば、糖質(エネルギー源)を含む食材+糖質の代謝を促すビタミンB1を含む食材+ビタミンB1の吸収をよくするアリシンを含む食材、という組み合わせです。
◆食べやすくする工夫の例
食欲増進に効果のある「香り」や「酸味」を活用する。
1)アリシンで「香り」を
「おいしそう!」な香り成分の一つが”アリシン”です。
イオウを含むアミノ酸の一種であるアリインが分解されることで生じる香気成分で、にんにくや玉ねぎ、ネギ、ニラ、らっきょうなどに含まれます。糖の代謝を促進しエネルギーを生み出すビタミンB1と結びつくことによって、疲労回復・食欲増進といった効果があります。
2)クエン酸(酸味)でさっぱり、食べやすく
クエン酸を含む食材は、お酢、梅、レモンなどです。ドレッシングやトッピングで使ってみましょう。
元気に夏を過ごすために、食事にちょっと一工夫してみませんか。
(スポーツ・健康科学教育研究センター/全学共通教育センター 水澤 克子)