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2026/05/01
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【スポ健リレーコラム】[第58回]
新年度を迎えて

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アスリートから学ぶ「適応する力」

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。新年度が始まって1ヶ月が過ぎ、少しずつ生活リズムが整いつつある頃でしょうか。私自身もこの4月に甲南大学に着任し、大学での仕事について色々な人に教えて頂きながら、慣れないことに奮闘する日々です。これまでとは異なる環境で、新たな人との出会い、新しい挑戦を楽しみにする気持ちがある一方、初めてのことに自分が思っている以上にエネルギーを使っているのか、いつもより疲れを感じやすい時もあります。

 新たな状況や環境に適応していく大変さを感じた時に思い出されるのは、これまでに出会った色々なアスリートやコーチの存在です。私は現在、専門分野であるスポーツ心理学の知見を活かして、アスリートやスポーツチームを対象とする心理サポート活動や研究に取り組んでいます。現場では心理学の専門的立場から、アスリート、そして人としてのキャリアの充実やウェルビーイングをサポートする役割を果たすことを目指して関わっていますが、実際にはアスリートやコーチと関わる中でこちらが気付かされることが多くあります。特に、日々取り巻く環境が変化するハイパフォーマンス領域で活躍するトップアスリートが、新たな環境で予測不能かつ困難な状況に直面した時にどのように適応していくかということは非常に興味深いです。トップアスリートには、国際大会や海外合宿などで急に生じる問題や課題に直面しても、冷静に対処法を考えて、その状況に応じた最善の道を選択していく「適応力」が求められます。アスリートやコーチの困難と思われる様々な場面での物事の捉え方や、取り組み姿勢から色々なことを学ばせてもらっています。

 

利用可能なサポート資源を最大限に活用する

 これまでに共同研究として関わったトップアスリートの心理的な資質に関する調査から、「利用可能なサポートを上手く使うことが出来ること」は成長するアスリートに共通する特徴の一つであることが明らかになりました。例えば、自分がいま抱えている問題を解決するためには、誰に相談すると良いかをよく理解しており、自分から積極的に意見や助言を求めることが出来るのです。また、相談する際に「どうしたら良いかの答えを求める」のではなく、色々な人から話を聞く中で情報を収集して、「どうしたら良いかを考える材料を集める」ことが出来るアスリートは、その時々の状況に応じて自ら考えることが習慣化されており、困難な場面に直面しても常に自分で解決策を考えて上手く適応していけるのだと思います。

 大学には学生相談室をはじめとする、皆さんの大学生活の充実を支える様々な支援体制があります。また、皆さんが利用可能なサポート資源は、大学や専門家だけではありません。非専門家、すなわち身近な周囲の他者(家族,友人,パートナー等)による支援は「ソーシャルサポート」と呼ばれ、心の健康を維持するために重要な役割を果たすことが指摘されています。話を聞いてくれる友人、気晴らしになることに一緒に取り組む仲間など、日々の生活の中で支えになっている自分にとっての重要な他者に気づくことが、ソーシャルサポート活用の第一歩になると思います。

 

スポーツ・健康科学教育研究センター/全学共通教育センター 片上 絵梨子

 

 

 

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