
「ヨーガとピラティスって、どう違うんですか?」とよく聞かれます。
簡単に言うと、ヨーガは「止まる」、ピラティスは「動く」です。
ヨーガと聞くと、多くの方は図1のようなポーズ(アーサナ)をすることだと考えているのではないでしょうか? 実は、アーサナを行うだけではなく、様々な呼吸法を行うことや、ただ座って瞑想することもヨーガです。
図1 ヨーガのポーズ(アーサナ)の例
https://www.tummee.com/yoga-poses/より作成
これらのアーサナは、「静止」することがポイントです。日常生活では行わないような姿勢を保つためには筋力・筋持久力と集中力が必要です。アーサナを通して、自分の体と心への意識を高め、集中する感覚を身につけることで、心を落ち着けることがヨーガの目的です。アーサナの本来の目的は体を鍛えることではありません。筋力や柔軟性が向上するのは、副次的な効果です。アーサナは「静止」です。
一方、ピラティスはJoseph.H.Pilates氏によって考案された、体力向上を目的としたエクササイズです。たとえば図1のイナゴのポーズやスーパーマンのポーズをピラティス的に行うと・・。ピラティスでは図2のように「動き」があります。Swan-Diveでは体全体を少し反らせたまま前後に揺らし、Swimmingでは胴体を動かさないようにして対角の四肢を上下に動かします。ピラティスは四肢の動きに対して胴体を安定させる。あるいは胴体をコントロールしながら動かす、ということです(Pilates氏は自らの考案したエクササイズをContrology(コントロール学)と呼んでいました)。
図2 ピラティスのエクササイズの例
https://www.tummee.com/yoga-poses/より作成
ピラティスの考案者であるJoseph H.Pilates氏は、1833年に現在のドイツのデュッセルドルフ近郊の小さな町で生まれました。病弱な子で、喘息、くる秒、リウマチ熱などに苦しんだそうです。しかし、器械体操の選手だった父親、自然療法家だった母親の教育のもと、様々な方法で自らの体の改善に取り組み、病気を克服し、たくましい体を手に入れたそうです。
喘息改善のために様々な呼吸法に取り組んだり、屋外での様々な運動を行ったり、町のジムに通って、ヨーガ、器械運動、マーシャルアーツ、ボクシングに取り組んだりしたそうです。また、ダイビングやスキーも大好きだったそうです。
Pilates氏がヨーガに取り組んでいたので、ピラティスのエクササイズとヨーガのアーサナは似ているものがある、ということです。ピラティスでは呼吸を重視しますし、ボクシングのパンチや、器械体操に似たエクササイズもたくさんあります。
スポーツ・健康科学教育研究センターでは、「こうなんSMILEプロジェクト」の取り組みとして、学生及び教職員が参加できる各種プログラムを実施しています。気軽に参加できるプログラムを用意していますので、ぜひご活用ください。
https://www.konan-u.ac.jp/education/sports/premire-project/
(スポーツ・健康科学教育研究センター/全学共通教育センター 水澤 克子)