
私たちの身の回りのトランジスタや太陽電池などの電子素子を、プラスチックのような有機化合物で作る研究を進めています。有機物の電子素子は軽量で柔らかく、印刷することで太陽電池ができる素材を生み出せる可能性があります。資源的にも潤沢な有機物を活用することで、地球の環境問題にも貢献できると考えています。
私は地層や化石を調べることで、当時の環境を推定する研究を行っています。数百万年から数億年と非常に長い期間の環境変化を知ることで、地球の長期的な予測に役立つ可能性があります。地層や化石の研究で得た知識を子どもたちの理科教育に生かし、サイエンスの面白さを知ってもらうことも私の大切な研究テーマです。
電池メーカーはもちろん、自動車メーカーからも期待が寄せられている全固体電池は、次世代の蓄電池。高い安全性と耐久性、小型化・高出力化が求められる研究は、脱炭素社会の実現にも貢献する分野です。固体でありながら高いイオン伝導性を持つ個体電解質の特異性に注目して以来30年。この特異な物質を新たに発見・発明する楽しさは今も尽きません。
物質にX線をあてて反射のパターンを調べることで、原子がどのように並んでいるか(結晶構造)を調べる装置です。鉱物や電池材料の研究などに使われます。
物質に磁場と電波をあてて、原子のまわりの環境や分子のつながり方を調べる装置です。薬や材料の構造を詳しく知るために使われます。
リチウムイオン電池などの電池を実際に動かし、電気をためたり出したりする能力や寿命を測る装置です。電池材料の評価に使います。
光を使って水を分解して水素を生成する反応を調べるための装置です。発生したガスを逃さず測定できる仕組みが特長です。
分子や材料の構造や性質をコンピュータ上でシミュレーションするための高性能な装置です。実験では見えない原子レベルのふるまいを予測できます。
光をあてて物質から飛び出す電子のエネルギーを測る装置です。材料の表面の電子状態を知ることができ、半導体などの研究に役立ちます。